おのしゅうのブログ

旧タイトル 注釈の多いオノマトペ

西丹沢に滝を見に行った

昨日(2010.2.20)、職場の同僚のT木さんが「どこかに行きたい」というので
丹沢に行くことにした。


丹沢とは神奈川県の西北に位置する山地で、
その中でも、表丹沢と西丹沢という山域に大別できる。


表丹沢は、東京方面からのアクセスが良く登山道も整備されている。
『大山』『塔の岳』『鍋割山』等の人気の山も抱え、総じて展望に恵まれた山が多い。
天気がよければ、『富士山』から『江ノ島』『大島』までも望むことができることが魅力である。


それに対し、西丹沢は登山口へのアクセスが悪く、
また、山頂に到達しても周りが木におおわれていて、展望がゼロという山が多い。
全体的に「暗い」山域である。


例えて言うならば『表丹沢』が『セリーグ』で、『西丹沢』が『パリーグ』である。
しかし、「人気のセ、実力のパ」という言葉もあるように、
『西丹沢』には派手さはないが、それだけに登山者も少なく静かで、
豊かな自然と個性的な名峰が光る、噛めば噛むほど味が出る「スルメ」のような山域である。


その『西丹沢』の、どこかの山にでも登ろうかとも考えたのだが、
「8時間くらい山道を歩けますか?」とT木さんに聞いてみたところ、
「そりゃ無理だ」と、却下されたので
往復で一時間半くらいの「散歩道コース」を検討した。


検討の結果『西丹沢』の秀峰『畦が丸』(あぜがまる)への登山道の途中にある
二本の滝を目指すことにした。


余談だが、わたしのクルマのクルマのトランクはカヌーでぎゅうぎゅうになっており、

トランクはまるで使えなかった。
そのため、荷物はすべてT木さんが膝の上に抱えることとなり、
(わたしのクルマは二人乗りで、車内に荷物のスペースはほぼない)
ただでさえ狭い車内がさらに狭苦しくなってしまった。
これで、助手席がオンナノコなどなら多少は色っぽい状況なのだが、
「ぶち〜」「〜じゃけえ」などの広島弁を操るT木さんでは、息苦しくなるだけである。


藤沢から、クルマでおよそ2時間。
西丹沢自然教室の付近にクルマを止め、吊り橋を超え登山道に入る。

この登山道の途中に、今回の目的地である『下棚』(しもだな)と『本棚』がある。
滝にたどり着くまで、およそ40分程度。
いくつかの堰堤(ちっちゃなダム)を越えて行かなければならない。


第一の堰堤(滝ではない)


この堰堤を越えたところは少し開けていて、
見ようによっては上高地梓川のあたりに見えなくはない、こともない、わけでもないと思う。
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第二の堰堤(これも滝ではない)昭和8年に作られたようだ
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第三の堰堤(やはり滝ではない)鈴木建設が作ったらしい
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『鈴木建設』という名前を受けて、T木さんと
「ハマちゃん!!!」
「だってね、スーさん・・・」
と、『釣りバカ日誌ごっこ』をやってみたがあまり盛り上がらなかった。


このあたりから、道に雪が目立つようになってきた。


雪道をおそるおそる歩きながら、ついにひとつめの
『下棚』に到着する。

冬のためか、水量があまりおおくない。


じっとしていたら寒くなってきたのでふたつ目の滝を目指す。
岩の上に雪が薄く積もっていて歩きにくいことこの上ない。
おそるおそる歩いた末、『本棚』


つららが下がっていた


迫力のある写真が撮りたいのと、マイナスイオンが浴びたいのとで
滝の真下まで行き写真を撮る。


この結果、全身に水しぶきを浴び、じっとりと濡れてしまった。
T木さんが、
「そういえばマイナスイオン云々というのは、『ウソ科学』の典型例らしいよ」
などと言っている。
そういうのはもう少し早く言って欲しい。


さて、下りの帰り道である。
一般的に登山での事故は登りよりも下りの道に多い。
この度は道に雪がある上、散歩気分の我々の靴はぺらぺらの運動靴である。危険である。


登山初心者のT木さんに
「歩幅をなるべく小さくすること」
「足の裏全体を使って歩くこと」
などを、登山と雪道に精通しているわたしが注意する。


この注意をした30秒後に、わたしが足をすべらせてしまい
左足が水中に没するハメになってしまった。


エラそうにあれこれ言ったあまりにも直後の失態に、ハゲシク赤面したが
とりあえず何事もなかったように振る舞おうと、黙って再び歩き始めるわたしに
うしろから、広島弁のキビシいつっこみがとんでくるのであった。