おのしゅうのブログ

旧タイトル 注釈の多いオノマトペ

昔mixiに書いた日記を振り返る 『あの時君は若かった』

かつてmixiを利用して日記を書いていた期間がありました。
いま確認してみると、2006年の2月から、2009年の9月まででした。
全20件の日記を書いていました。
毎日のように更新する人もいる中で3年半で20件とはいかにも少ないですね。
この2006年から2009年までというのは、ちょうどわたしが会社勤めをしていた時期と重なるのです。
現在わたしは『会社』には勤めていませんが、この頃会社員だったのです。


退職してからもう5年にもなります。
今の仕事の期間の方が、会社勤めをしていた期間よりも長くなりました。
当時の記憶がどんどん薄れ、なくなっていきます。
あのころわたしは何をして、何を考えていたのか振り返ってみたい。
そんな個人的すぎる記事です。


以下引用です。




『あの時君は若かった』   2008年10月22日18:03


先日知人との電話中、なぜか大西洋無着陸横断飛行の話になった。
この頃特に物覚えの悪くなっている私は、
それをはじめて成し遂げた操縦士の名前をなかなか思い出すことができなかった。

「オリエンタールだっけ?」私は言った。
なんだかそんな名前だったような気がする。
しかし違和感も拭えない。東洋的過ぎる感じがする。
電話口の相手は、
「確かそんなだったね」
などと適当に同意していた。多分どうでもよかったのだろう。


電話を切ってから気がついた。
「オリエンタール」ではなく「リリエンタール」だと。
胸のつかえが取れた気がした。

しかしその一週間程後、さらに気づいてしまった。
「リリエンタール」ではなく「リンドバーグ」が正であったことに。

リリエンタールはハンググライダーを発明した人であって、
大西洋単独無着陸飛行に初めて成功した人ではなかった。


私はいろいろと間違っていた。
まるで「エスカレーター」を指差し「エベレーターに乗る!」とのたまっている子供のように。
(さらにいえば子供は階段を歩くべきである)


私は「オ」と「リ」一字の間違いを見つけたことで安心してしまい
本質的かつ重大な過失を見逃してしまっていたのだ。



今回は単に言葉の間違いであったので大勢に影響はなかった。
しかしこれは歩んでいく人生そのものにも同じようなことがあるのではないか。

そしてその犯した誤りに気づいたときは、多くの場合もう遅いのであろう。



以上引用でした。



2008年の12月に退職しているので、これは会社を退職する2ヶ月ほど前の日記になります。
この日記のテーマはおそらく「誤りを正す」だと思います。


このころ、わたしは恐らく悩んでいたんだと思います。
10月は確か営業部から現場に移された直後で、「俺の居場所は、やることはコレじゃない」とモヤモヤしていたんです。
「いや、そもそも営業か現場かという問題なのか?」
「そもそもこの会社にいることは正解なのか?」
「それは本質的な問題から目を背けているだけじゃないのか?」
「そもそも自分が本当にやりたかった仕事とはなんなんだ?」
という悶々とした悩みが、
「オリエンタールかリリエンタール、という問題ではなく正解はリンドバーグ
「エベレータかエレベータ、ではなく正解はエスカレーター」
という所に表現されていたんだと思います。


わたしはこの日記を書いた2ヶ月後に退職しました。その3ヶ月後に新しい職に就きました。
「誤りを正す」ために。


それからもう5年ほど経ちます。
今のわたしはどうでしょうか。仕事を変えたことで本質的な「生き方」にまで向き合って正解にたどりつくことができているのでしょうか。
それとも転職したことで安心しきってしまい、未だ「リリエンタール」や「エレベータ」にとどまってしまっているのでしょうか。
よくわかりません。





などと自分の書いた日記にもっともらしく解説を加えてみましたが、たぶんそんなに深い意味はなかったと思います。
ほとんどがいま考えた後付けです。
それにしてもわたしはなぜ知人(だれだったか思い出せないけど)と大西洋無着陸横断飛行の話などしていたのでしょうか。