おのしゅうのブログ

旧タイトル 注釈の多いオノマトペ

英国探訪記  その一 準備編

ちょっと前の話になってしまうのですが、
今年(2011年)の夏、英国に旅行に行ってきました。


そもそもなぜ英国なのかということですが、これといって深い理由はなかったのです。
どうもお盆中に一週間くらいまとまった休みがとれそうだ、ということになり
せっかくなので、ということで海外旅行を検討したのです。


言うなればどこでもよかったわけですが、
訪問先を決めるにあたり「治安がいい」という点だけは重視しました。


海外旅行が初めてという訳ではないですが、
語学力は心もとなく(英語は中学二年生レベル)
人にもよくだまされ(あまりものを深く考えない)
腕力にも自信がない(腕相撲で中学二年生の女子に負ける)ので、
東南アジア方面や、インドや、南米にも興味はありましたが、
「ぼったくる人」や、「荒くれ者」が出てこられたら対処のしようがないので
今回は外し、比較的治安がいいと言われるヨーロッパを検討の対象にしました。


なんとなくイタリアやスペインも考えたのですが、
イタリア語とかスペイン語は英語以上に分からないので断念しました。(英語も中2レベル)
なんとなくドイツと英国で悩みました。
ドイツは2年程前に行ったことがあるので、安心感は強いです。
わたしの拙すぎる英語もなんとなく通じ(たような気がし)ます。
ですが、ここでまたドイツに行くのはあまりに保守的に過ぎるだろうということで
なんとなく英国に決定しました。
あまり深くものを考えないのです。


付け加えるなら「大英博物館」というところに一度行ってみたかったな、
という気持ちもありました。


一ヶ月前くらいから航空券を探し、またお盆の期間中だったので
ロンドンまでの直通便のチケットを押さえることができず、香港経由の4泊7日という日程でした。
宿は、booking.comで押さえました。



出発まで一週間ほどにせまったわたしに、とあるニュースが飛び込んできました。
『ロンドンで暴動』とのことです。


この時点では、あまり深く考えていませんでした。
しかし、その後のニュースで見た写真はわたしの想像をはるかに超えるものだったのです。




「荒くれ者」どころのはなしではありません。


これはロンドンの中心部だそうです。
ちょっと調べたら、わたしが予約した宿から1kmくらいのところでも
暴動はおきているようなのです。


いろいろな方に、
渡航の是非を検討すべきではないか」というようなお言葉をいただいたのですが
前述の通り、わたしはあまり深くものを考えないので、
「多分大丈夫じゃないか」となんとなく考え、行ってしまうことにしました。


その2に続く(たぶん)

おのしゅうナイトやります

11月27日(土)に『おのしゅうナイト』というイベントを開催することになりました。
わたしおのしゅうの、おのしゅうによる、おのしゅうのための会です。
詳細は未定です。


場所は、根岸線新杉田駅近くの「杉田劇場」のホールです。
310人入るそうです。
杉田劇場のホールで行われるイベント案内をちょっと見てみると
東日本大震災支援コンサート ベルリン・フィルハーモニー弦楽五重奏団』
とか、
『イギリス王室も認めた女流大ピアニスト イモージェン・クーパー 感動の名曲リサイタル』
などのプログラムが名を連ねています。


そんなのにならんで、わたしの名前(本名)を冠した
『おのしゅうナイト』
どう考えても異質です。


繰り返しになりますが、
特に人前でできるような技は持っていません。
そんな市井の徒であるわたしが、なぜそのようなことをやるはめになったのでしょうか。
自分でも若干不明瞭なところがあるのですが、以下概略をまとめたいと思います。



そもそもの発端は、9月19日(月・祝)に、
イガラシイッセイさん
kasahiさん
しーなねこさん
yositosiさん(五十音順)
というステキなメンバーのお酒の席にお邪魔させていただいた時からでした。


ステキなみなさんに、優しくしていただいたわたしは、大変いい心持ちになってしまい、
帰り道のしーなさんとの話の中で、なぜか変にひとりで盛り上がってしまいました。
今思うと、アルコールにやられたというのもあったのかもしれません
気がつくとわたしはtwitter上で


『おのしゅうナイトやります』


とのツイートをしていたのでした。
なぜこんなこと書いてしまったのか、今でも自分で分かりません。
たぶん、ほんの冗談のようなものだったのです。
わたしのそんな寝言としか言えないようなツイートに対してみなさんから
「いつやるの?」とか
「行きたい!」などの心優しい返信があったのです。


さらには、しーなさんが、『おのしゅうナイトでやってほしいこと』
というものまで、おだいば。で立てて下さいました。


それらの反響を見て、わたしは後悔半分と反省半分でした。
「思いつきで変なことをいうものではないな」、と。
『おのしゅうナイト』なんて、言葉の響きはちょっと面白いですが
実際はどんなことをやるものなのか本人にもよくわかりません。


ただ、口に出してしまいそしてそれにリアクションまで頂いた手前、
なんとかそれなりの格好はつけようと考えました。


まずは、場所を決定する必要があります。
わたしが候補として考えたのは、
藤沢市民会館会議室(収容30人)
鎌倉芸術館会議室(収容40人)
または、高尾山の山頂でピクニック、とか
湘南海岸で海を眺める、
もっといえば居酒屋での飲み会スタイルでお茶を濁してもいいかなあ、とすら考えていたのです。



そこにとんでもない爆弾が投げ込まれました。
あの、『しーなねこさん』です。


   『@onoshu2 おのしゅうさん思い出の地、新杉田駅前の「杉田劇場」(310席)を予約しておきました。
    11月27日(日)の18:00〜22:00です。ここでよければ、9/28までに15,000円を払いに行って下さい!
    (土曜日は空いてませんでした……)』


やってくれました。


わたしが310人も入る会場で「おのしゅうナイト」なるものをやる。

何を言ってるのか分からないかもしれませんが、
わたしも何をされたのかわからなかった…。

頭がどうにかなりそうだった…。

大人の悪ふざけだとか悪のりだとか
そんなチャチなものじゃ断じてない、

もっと恐ろしいものの片鱗を味わいました。



しーなさんは、『ここでよければ』という含みも持たせてくれていたので
辞退をしてもよかったのですが、ちょっと考えた結果、
これもしーなさんの、
(310人入る会場で20人くらいしか来なくて寒々しい雰囲気はそれはそれで哀愁があり面白いなどの)
深謀遠慮が働いているのだろうと思い、
そのままの提案通り、杉田劇場で行うことにしました。



ただ、ふと振り返るとやはり不安です。不安ですというか、疑問です。


世の中には、自ら「変」なことをやろうとしているひと。
「変」なひとであろうとするひとがいます。


わたしは特に、そのようなたぐいの人物ではないのです。
結果として、「バカだねえ」とか「デクノボー」とか「オットセイ」とか「顔がこんがりしている」とか
言われることもありますが、基本的に本人は大まじめなのです。


わたしを見て、笑っている人もいることはいるかもしれませんが、
それは俗っぽい言い方で言えば、
「笑わせているのではなく、わらわれているのだ」
ということにでもなりましょうか。


果たして、そんなわたしが『おのしゅうナイト』なんてやって楽しいのでしょうか。
悩みは尽きません。



ただ、いまさらそんなことを言っていても仕方がないのかもしれません。
サイはもう投げられたのです。





『おのしゅうナイト』参加受付はこちら(登録せずに当日ふらりといらしても構いません)


おだいば。『おのしゅうナイト』でやってもらいたいこと


togetter『おのしゅうナイト』に関するあれこれ



  ※ 同時開催で27日お昼頃から『おのしゅうからの脱出』というリアル脱出ゲームも予定しています。
  ※ 不安だなんだといろいろ書きましたが、しーなさんはプロデュースを約束して下さいましたし、なんとか形にはなるんじゃないかと思います。
  ※ 目標参加人数は100人です。

第7回リアル桃鉄 決戦前夜に思うこと

あまり人に自慢できるような特技を持っていないわたしだが
寝付きがよいということだけは誇れる特技だと思う。
床に着くとだいたい30秒以内ぐらいで寝てしまう。
時間がかかることがあっても眠りにつくまでせいぜい1〜2分ぐらいだろう。
その日に悲しいことや胸が引きちぎられるような思いをすることがあっても、
翌日に楽しみなことやワクワクすることがあっても、
眠るまでは普段と変わらずにのび太並である。


十代の頃はそうではなかった。
修学旅行の前夜は興奮してなかなか寝付けなかったし、
つまらないことに悩んで眠れぬ夜を過ごしたこともあった。


最近はそうではない。


興奮することがなくなった訳では決してないし、
相変わらず下らないことに悩んでばかりである。
ただ、眠れぬ夜を過ごしたという記憶はここのところ、ない。


感受性が鈍ってしまったのか、心をつき動かされること自体が少なくなってしまったのかそれは分からない。
ただ、『想定外』とか『明日は何がおこるか分からない』などという
不安と期待が入り交じった気持ちを感じる機会は少なくなっていると思う。


それが原因かもしれない。




しかし、今宵わたしは久々に眠れぬ夜を過ごしている。


明日、第7回リアル桃太郎電鉄というイベントに参加する。


前回大会にも参加させていただいたのだが、今回は規模が違う。
祝祭である。決戦でもある。
今感じている気持ちが、不安なのか期待なのかそれとも他のなにかなのかは分からない。


確かなのは、明日何かが起こりその何かが今はまだわからないということだ。


わたしの持てる、知力・体力・精神力を総動員しなければ最後まで戦うことも能わないだろう。
自分の力と仲間を信じて明日、リアル桃鉄の歴史の一部になろう。




貧乏神Tシャツ 前

貧乏神Tシャツ 後

逆さ七福神 アップ

はしご七福神 「後編」

「前編」はこちら(三ヶ月越しで後編です。期間だけは超大作)


「前編」のあらすじ
     藤沢七福神を回り終えたわたしは
     帰りの「片瀬江ノ島駅」でとあるパンフレットを発見してしまう。



江ノ島・鎌倉七福神のパンフレットである。


これを発見してしまい、新しい考えが頭をもたげてきた。
それぞれの寺社でスタンプの台紙を持っている人をそこそこ見かけたことからも分かる通り、「藤沢七福神めぐり」をやっているひとはそれなりにいる。
そして、この「鎌倉七福神めぐり」をやっている人はもっといるだろう。
(神社仏閣は鎌倉の方がメジャーだし)
でもそんなにたくさんの人がお気軽に取り組んでいるような寺社めぐりで
『不幸がしがみついたような顔』といわれるわたしから疫病神がそう簡単に逃げていくとも思えない。
しかし、このふたつを制覇したらどうだろう。そこまでやる人はほとんどいないだろう。
そこまでやったらわたしの顔も『不幸』が「しがみついた」から「ひっかかった」ぐらいまでは軽減されるのではないか、と考えたのです。


だからわたしは鎌倉に行くことにした。(徒歩で)
名付けて『藤沢・鎌倉 はしご七福神』である。



藤沢七福神を制覇した翌日、平成23年1月10日
わたしは昨日のゴール地点である小田急片瀬江ノ島駅に降り立った。

(遅くとも午前中には出発しようと思っていたのだが、様々な理由で出発が午後三時頃になってしまった。
 結果的にこの遅れが響いてくることになった。ヤバいなあとは思っていたが「まあいいか」と考えてしまった。
 これがいわゆる見切り発車というものですね。)


はや日も傾き始めた海沿いの道を鎌倉を七福神を目指して歩いていく。



(1)福禄寿

御霊神社  【祭神 鎌倉権五郎景政】

踏切のすぐ向こうに神社がある。
これはトコトコゆっくりはしる江の電だから「これも風情があるねえ」で済むけども
普通の電車だったら結構な問題になっちゃうんじゃないかというようなロケーションである。


『福禄寿』
ここの福禄寿は宝物庫の中であった。
大事にされている観はあったが、果たして彼は藤沢の福禄寿と比べてどっちがしあわせだろうかということもちょっと考えてしまった。
しあわせを与えてくれる神様の幸せをわたしが考えるというのも変な話かもしれないが。

●線路近い度   ★★★★★
●福禄寿箱入り度 ★★★

   ※参考画像 藤沢の福禄寿
   


(2)大黒天

海光山長谷寺 【本尊 十一面観音】

メジャーなお寺で、一部のコアファンひとからは「イチゴのお守り」でも有名である。


ここでふたつ目にして痛恨の事態が発生した。もう閉まっていたのだ。

●いちごお守り度  ★★★
●寝坊イタイ度   ★★★★★★

「ま、まあ長谷寺は何回かきたことあるし…。」と自分に言い訳しながらとぼとぼと後にする。


(3)恵比寿

妙厳山本覚寺 【釈迦三尊】

この寺は、「恵比寿」が全面に押し出されていた。


そもそもどこの寺社でも七福神は本尊などではないので
ここまでの七福神は悪い言い方で言えば「添え物」とか「間借り人」というイメージがあった。
ただここは違った。間借り人が完璧に母屋を乗っ取る勢いの提灯の乱立ぶりだった。


しかし、ここまで「えびす」「えびす」「えびす」「えびす」と来られると、
ちょっと『ヱビスビールあります』みたいである。
一度そう考えてしまうとその他の提灯も日本酒の銘柄みたいに見えてきてしまう。


それにしても「ヱビスビール」って本当にいい名前だと思う。
ジュロウジンビールとかあんまりおいしそうに聞こえない。
それとも単に慣れの問題で、
「ビールの銘柄は何に致しますか?」
「じゃあ僕はビシャモンテンで。」
などという会話ももしかしたらありなのかもしれない。


●恵比寿頑張ってる度 ★★★
ヱビス飲みたい度  ★★★★★


(4)寿老人

叡昌山 妙隆寺


暗くなり始めてしまったのでサラッと通り過ぎてしまった。

●印象薄い度  ★★★
●通り道度   ★★★


(5)毘沙門天

金龍山 宝戒寺 【本尊 地蔵菩薩
ここであたりがほぼ暗くなった。
寺は当然のごとく閉まっていた。

この寺の裏山で、北条高時と一族郎党870余名が自害したそうだ。
そんなところに暗くなってからきてしまった。自慢じゃないがわたしはこわがりなのだ。


●暗くて怖い度             ★★★★
●閉まった門が顔みたいでますます怖い度 ★★★★★★


(6)弁財天

鶴岡八幡宮


ここでようやく鎌倉のフラッグシュラインとでも言うべき八幡宮に到着した。
このときあたりはすっかり暗くなっていたが、さすがというべきか正月の八幡宮はまだ賑わっていた。

弁財天社は闇に包まれていた。

源平池という池の中に島があり、その島に立っている。
江ノ島の弁天といい、八幡宮の弁天といい島好きなようだ。


ところで最初のパンフレットの画像をよく見ていただけると分かるのだが
「鎌倉七福神」も実は全部で八個ある。
これは実はこの「弁財天」がかぶっている為である。
これ自体は別にいいのだが(藤沢七福神毘沙門天がふたつあった)
問題はそのもう一つが『江島神社』だということである。
前編をご覧になった方ならご承知のごとく、江島神社は「藤沢七福神」の一員でもある。
つまり藤沢市内の神社なのだ。
ただでさえ、
「藤沢ってなんもないよね、江ノ島くらいだよね。」とか
江ノ島って藤沢なの?鎌倉だと思ってた。」とかいわれる藤沢市の貴重なシンボルなのだ。
その江島神社を「鎌倉江ノ島七福神」などとして鎌倉側に取り込もうとする鎌倉の姿勢をこの場を使って厳しく糾弾しておきたい。


閑話休題、もうあたりは一面闇である。


弁天島好き度 ★★★★
鎌倉陰謀度  ★★★★★


(7)布袋尊

浄智寺


八幡宮を後にし、北鎌倉駅方面に歩いていく。
浄智寺の入り口に着いたときはもうとっぷりと日は暮れていた。
だいたいこの辺りは街灯も少なく本当に暗い。
だから当然閉まっているだろうな、と思っていた。

ところが予想に反して門は開いている。
行ってみることにした。

それにしても暗い。真っ暗な上に階段もガタガタで転びそうで怖い。
それよりもなにか物の怪の類が出てきそうでもっと怖い。

だから山門までたどり着いて、そこが閉まっているのを発見したときはちょっと安心してしまった。
これ以上進んでいたら異界に行ってしまったかもしれない。


物理的に怖い度 ★★★★★
おばけ怖い度  ★★★★★★★★★★




北鎌倉駅に逃げるように駆け込み、はしご七福神の旅は終わった。



そしてこの文章を書いているのは、ここから半年以上たった九月なのだが、はたしてこの巡礼はどれほどのご利益があったのだろうか。
相変わらず周りのみなさんには「顔に不幸が染み付いている」とか「おのさんは本当にバカだねえ、デクノボーだねえ」などと言われることも多い。
しかし、わたし自身としては、今年は比較的心おだやかな毎日を送らせていただいているように思う。
この平凡な毎日を送ることができている点をご利益と考えたい。


それ以上に、いままで地味すぎていったこともなかったような地元のお寺や神社の魅力を再発見できたことが収穫だったように思う。
七福神は出自をたどると神道の神(恵比寿)がいたり、仏教の守護神(毘沙門天)がいたり、ヒンドゥー教の神(弁財天)がいたり、禅僧(布袋)がいたり、非常にバラエティーに富んでいた。
だからこそ巡った場所も、お寺あり神社ありの様々で巡りがいがあった。(七福神見れてないとこも多かったけど)


日本全国にはまだまだ隠れた『 〜 七福神』もあるようだ。
ちょっと足を延ばしてまた巡ってみるのもいいかもしれない。

UKに行く

本日から一週間程ロンドンに行ってきます。


一ヶ月程前の職場での会話です。
わたし「夏休みにはロンドンに行くのです」
Aさん「いいですね。独身のうちしかできないですもんね」
Bさん「一生独身じゃなければいいですね」
わたし「・・・・・・・。」


Aさん「(話題を変えるように)誰と行くんですか?」
わたし「ひとりです」
Bさん「友達いないんですもんね」
わたし「・・・・・・。(否定できない)」


Aさん「(重い空気を振り払うように)ツアーですか?」
わたし「航空券のチケットだけとりました」
Bさん「英語話せるんですか?」
わたし「中学2年生レベルです。」
Aさん「・・・・・・。」
Bさん「・・・・・・。」
わたし「・・・・・・。」


まったく良い同僚を持ったものだと思います。



ところで、今ロンドンではあちこちで暴動が起きているらしいのです。
いろいろな方から渡航の是非を検討すべきではないか?
とのお言葉を頂きましたが、とりあえず行ってみることにしました。


行ってみて、こりゃあかんなという感じだったらホテルの隅で体育座りでもしていようと思います。


とりあえずいってきます。
生きて帰ってきます。

はしご七福神 「前編」

気がつけば、これはもう5ヶ月近くも前の話になってしまっていた。


平成23年が始まったばかりの頃の話である。
平成22年は個人的に様々な災厄に見舞われた年で、わたしは新しい年に大きな不安を感じていた。
そんな時にわたしの目に飛び込んできたのがこれだった。


わたしが住んでいる神奈川県藤沢市七福神めぐりのパンフレットだ、
いわゆる『藤沢七福神』と呼ばれるものである。
そう言えばそんな言葉を聞いたことがあるような気もしないでもない。


その寺社の一覧を見てみると、
白幡神社  (毘沙門天
●常光寺   (福禄寿)
●養命寺   (布袋)
皇大神宮  (恵比寿)
江島神社  (弁財天)
●龍口寺   (毘沙門天
●感応院   (寿老人)
諏訪神社  (大黒天)
   ※ぱっと見たところ、『七』福神なのに「八」カ所もあるのはなぜだ?
    と思ってしまうが、これは「白幡神社」と「龍口寺」の毘沙門天がかぶっている為である。


何度か訪れたこともある有名な寺院もあるが、初めて聞くような名前もある。
スタンプラリー形式になっていて、八個のスタンプを集めた人には
「開運干支手ぬぐい」を100円で売ってくれるらしい。(無料プレゼントではないのだ)
手ぬぐいはどうでもいいが地元の魅力再発見、ができるやも知れぬ。
厄払いと地元の文化スポット探訪の一石二鳥である。


パンフレットには、モデルコースとして
「どこどこからバスに乗れ」とか「江の電の『のりおりくん』が便利」
などと書いてあったが、わたしは全て徒歩で移動することにした。
四国八十八ヶ所のお遍路でも、自動車や公共交通機関を使ってまわるよりも
「歩き遍路」のほうがご利益があると聞いたことがあるような気がする。
しかもこれはたかだか藤沢市内である。歩けない距離ではない。
これで厄払いと、地元探訪と、ウォーキングによる健康増進の一石三鳥ということになる。


そのような考えで平成23年1月9日、引地川の引地橋(引地川のフラッグブリッジですね)を出発した。


(1)布袋

引地山養命寺(曹洞宗) 【本尊 薬師如来

家の近くなのだが、訪れたのは初めてだった。
というよりもこれまでは存在も知らなかった。
ちょっと奥まったところにあり、「七福神めぐり」ののぼりがなければ通り過ぎるところだった。
ここは、見事に誰もいなかった。静かだった。
それはいいのだが非常に大きな問題があって、それは『布袋』がどこにまつられているのかよくわからないということだった。
七福神』めぐりなのにその七福神の布袋さまを拝むことができなかったという、なんとも先が思いやられるスタートとなってしまった。

七福神度    ★
隠れ家的存在度 ★★




(2)恵比寿

皇大神宮(通称 烏森神社)【祭神 天照大神】 

これまでに何度かは訪れたことがある、大きな神社である。
ここはそれなりに賑わっていた。
わたしと目的を同じくした「七福神めぐり」の台紙を持った人もそれなりの数を見かけることができた。
(もっとも、みな熟年夫婦連れといった風情で、わたしのように20代でしかもひとりで等という人はいなかった)
ここは『恵比寿』が分かりやすくまつられていた。

       『恵比寿』

分かりやすいのはいいのだが、本殿が立派なだけにそのちんまりとした普請も目立ってしまい、少々寂しさも感じた。

七福神度      ★★
神社賑わってる度  ★★★★



(3)毘沙門天

白旗神社【祭神 寒川比古命源義経

わたしの地元の神社でなにかあったらお参り来る神社はここだ。初詣もここに来る。

       『毘沙門天

奥まったところに鎮座しているようにも見えるがよくわからない。
ここまでの三カ所で、一カ所もまともに『七福神の像』を見ていない。
ただ、周りのスタンプの台紙を持った人を見てみると、
まつられている(はずの)七福神そっちのけで
「スタンプはどこ!?」と騒いじゃってるのでこれはこれでいいのかもしれない。


七福神度  ★★★
地元度   ★★★★★



(4)福禄寿

八王山無量院常光寺(浄土宗)【本尊 阿弥陀如来

ここの『福禄寿』も初めはどこにまつられているか分からなかった。
しかしひととおりキョロキョロした後、それを発見することができた。

       『福禄寿』

祀られているというにはあまりに無造作にそれはあった。

その表情も、ポージングもなんだかふざけているように見える。
ここで初めてはっきりとした形で「七福神の像」に向き合うことができたがやはり釈然としない感じは残った。


七福神無造作度   ★★★
ポーズおもしろい度 ★★★★★


(5)大黒天

諏訪神社【祭神 いろいろ】

わたしがよく行く飲み屋(ホルモン三平)の提灯がかかっていた。
やや「大黒天」の赤いのぼりがくどすぎる観もあったが、
同時にここでは『大黒天』に対する尊厳というものも感じることができた。

       『大黒天』

決して扱いは大きくないが、となりに但し書きがあるのが分かりやすくて良い。
『大黒天』の像も他の場所にガラスケースに入ったものがあった。
ここの『大黒天』は大事にされているらしい。


七福神度    ★★★★★
提灯存在度   ★★★★★★


(6)寿老人

三島山瑞光寺感応院(真言宗)【本尊 不動明王

弘法大師の修行像などがあり、雑多な印象を受けた。
『寿老人』がどこかにいるはずなのだがよくわからなかった。


七福神度    ★
ごちゃごちゃ度 ★★★


(7)毘沙門天

寂光山龍口寺(日蓮宗)【本尊 日蓮上人】

古くは刑場で、日蓮が処刑されかかった場所だと言われている。
実はこの頃から日が暮れ始めてきた。
まだこの時点で江島神社の弁財天を残してしまっている。
ということでこの龍口寺ではお参りもそこそこに
毘沙門天』を発見できないまま江ノ島に向かうことにした。
(龍口寺の境内はやたらと広い)
白旗神社で『毘沙門天』は拝んでいるので(かぶっているわけですね)まあいいかと思ってしまった訳です。


もう歩き疲れちゃった度 ★★★
人ごみ度        ★★★★★


(8)弁財天

江島神社【祭神 いろいろ】

江島神社はその名の通り江ノ島の中にある。
まだ正月の九日ということもあり、江ノ島はとても混んでいた。

恵比寿屋旅館という旅館があった。弁天様のお膝元でこれはなかなかいい度胸というべきではないのか。
豊田市で日産の車に乗っているようなものだろうか。


       『弁財天』

この弁天堂は非常に立派であった。同時に混んでいた。
江島神社に『弁天様』が祀られているのは前から知っていた。
逆に言うと他の七カ所は寺社の名前くらいは知っていても、七福神が祀られているのは知らなかった。
江ノ島で初デートをすると弁天様が嫉妬してそのカップルは別れるという噂を高校生の際に聞いたことがあった。
ただ、それはわたしがまったく心配をする必要がない噂だったのはとても残念ではある。


七福神度   ★★★★★★
いも洗い度  ★★★★★★★★★



これで予定の八カ所をに全て参拝することができた。
七福神をコンプリート、というと若干怪しい部分も残るが)
なんとか日暮れ前に予定の行程を終えることができた。
歩き続けた疲労感と、無事に参拝を終えることができたという心地よい満足感に浸りながら
小田急線の片瀬江ノ島駅に向かって歩いた。

背後には江ノ島が夕日につつまれて、浮かんでいた。



しかし、わたしは帰りの片瀬江ノ島駅では思いもよらぬパンフレットを発見してしまった。
それがこれである。



後編に続く

またを書き始めようと思う

実に10ヶ月ちかく開店休業状態が続いていた、この『注釈の多いオノマトペ』でしたが
また再開しようと思います。


このところ気持が非常に焦っていて、
「悠長に、オノマトペがどうたらなんて書いている場合じゃない!!」
などという心持ちになっていたのですが
冷静に、ここに触れずになにをやっていたのかということを考えてみると
特に有意義なことをしていたという訳ではなく、単にごろごろしていただけなのです。


非常に生産的でないなあと反省し、またコツコツとやってみようと考えたのです。
(そもそも生産的な内容は書いていなかったというきらいはありますが)
しかし、このところ物理的に自由が利かなくなってきているということも事実で
今現在や近々に題材となるようなこともそこまで多くはなさそうなのです。


そこで、いきおい過去のことを振り返った記事が多くなるかと思うのです。
そう言えば書きたいことは結構あるのです。
一例を挙げますと、
・走ったこと(駅伝、湘南国際マラソン
・しーなさん、及びへもいっこのみなさんいろいろとあそんでもらったこと。
・hassyさんがいろいろ凄かったこと。
江ノ島沖でカメラがオシャカになったこと。
七福神をハシゴしたこと。
・田園調布から羽田空港まで川下りをしたこと。
等々まだまだいろいろあります。


ものによっては一年以上昔の出来事もあります。
ブログが「日記」と訳されていることを考えれば、そんなに昔のことを書いて
「日記」とはどうなのだ、と厳しいご指摘をなさるかたもいらっしゃるかもしれません。


しかし、ここで思い出して下さい。
平安時代中頃に書かれた『更級日記』のことをです。
作者の菅原孝標女がそれを書いたのは50歳くらいのことと言われています。
その内容は作者が13歳の時分からの回顧録です。
実に30年以上前のことを書いて、堂々と『更級“日記”』と言われているのです。
わたしが、ほんの一年程前のことを“ブログ”として書いて何を非難されるいわれがありましょうか。



つまらないことをグダグダ書き連ねましたが、
またこのような調子でつまらないことをグダグダ書いていこうと思っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。